2010年9月、念願のイールゼー音楽祭に再び行くことが出ました。 ミュンヘンより、列車で1時間ほどの静かな村の中にある教会で、指揮者ブルーノ.ヴァイル、 ターフェルムジーク・バロック管弦楽団を中心に一週間ほどかけて行われる音楽祭です。 ソロアンサンブル、合唱、オーケストラ大曲等、バラエティに富んだプログラムが用意され 昼と夜に演奏されます。来年が最後の音楽祭になるとか…とても残念です! |
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場所は音楽祭の名にもなっている、 「Irsee-イールゼー」という村です。 最寄りの駅はカウフボウエルンと言う ところで、そこからはバスかタクシーで しか行けません。 今回の宿泊はKlosterbrau Hotel 。 村で唯一のホテルです。 同じ敷地と言っても良いほどの距離で、 とても便利です。 コンサート休憩時には、部屋まで戻って いたくらい! |
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ホテル受付でシュミットガデンご夫妻からの、 メッセージと共にチケットとプログラムを渡され 感激です。依頼されて送ったイラストが、 どのように使われたのか、まるでわかりませんで したので早速チェックして…再び感激。 コメント部分に「このコンサートのために描き下ろしたイラスト」との文章が…。 |
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頂いたチケットは、その日の夜に行われる音楽祭の ご招待で演目はシューベルト交響曲「未完成」と 「グレート」。両方とも生オケでは初めてです。 |
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教会内部です。カトリックですので装飾が華やかで きらびやかです…! |
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オケの楽器の位置がいつもと違う?? コントラバスが思いっきり左にいるとか、 第一第二バイオリンが混ざっているとか…でも、 これは古楽器演奏のスタイルだそうです。 「グレート」の交響曲に入る前に、お勉強というか それぞれのテーマや、音について、ヴァイル氏が レクチャーしました。 勿論(汗)何をお話しされたのかわからなかったの ですが〜。普通のコンサートと違って、毎回何か 発見のある、楽しい音楽祭だなと、関心しました。 久しぶりのオーケストラの生音に包まれて、何とも 良い気分に………。 コンサートホールではなく、教会。 椅子は堅く、計算され尽くした音響効果も無いかも しれませんが、それを上回るその場所のオーラって ありますね。海外ならではの…鑑賞。 時間をかけて聴きに行く価値のあるものです! |
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コンサート後、お食事会があるとのことで、案内されました。「グレート」が非常に長い曲でしたので 終わったのが10時近く。それからのディナーです。 |
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ここでやっと、シュミットガデンご夫妻と再会です。 ディナーに入る前に、会場外にて食前酒で乾杯です。 すでに熱気でむんむん! ↓こちらがディナー会場 |
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私のネームプレートまで用意され席次が決まってい る本格的なディナーでした !指揮者は勿論、 音楽祭関係者とゲストの、カナダ大使(ターフェル ムジーク管弦楽団の本拠地がカナダです)そして ドイツ連邦の財務大臣までも! お声をかけて下さった老夫婦は、日本にも仕事で 来ていたそうで、アメリカの別宅はお隣さんが クリントイーストウッドなのよ〜…と話されてい ました…。なんとも…ハイソサエティな集まりに ご招待されていたのね…と、 ちょっとだけプレッシャー。 |
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フルコースは超絶美味で。メインのお肉は日本の和牛!メニューにそのまま「Wagyu-Rind」って 載っていました。食前酒と一緒に出ていた前菜も、あぶりのマグロに「wasabi-Mayonnaise」! シェフが私と友人のところに来て「ジャパニーズスタイル!」とにっこり笑いながら説明してくれたん ですよ〜。ここで、そんなに日本食材に出会えるとは(笑) ワインも赤と白と欲張って両方頂き、ふわ…っとなりながら、夢のような時間は深夜の12時過ぎまで 続きました。 |
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翌日が、今回の旅行の目的であるテルツ少年合唱団のコンサートです。前日に、テルツの広報の方から 3時に教会の前に来るように言われました。写真撮影とのこと。 「??……」はてなマークのまま行きますと…。新聞記者とカメラマンさん達が、私の描いたイラストを大きく引き延ばしてパネルにしておりました!!! |
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嘘でしょう〜!!!と言いながら持たされる私。 一緒に持って下さっている方は合唱団の副指揮者 ラルフ・ルーデヴィヒさん。 |
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広報のソーア氏も入って記念撮影をしていると、 少年達がリハーサル前に集まって来ました。 イラストに興味を持ってくれた少年達。 群がって、のぞき込んでいます。可愛い! |
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シュミット-ガデン先生も入ってやっと全員で集合 写真です。 ↓clickで大きくなります。 |
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←お気づきでしょうか?!一番端に写っている 少年は日本人です!誇らしいです〜〜〜〜〜。 後程ご紹介しますね。 |
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そして、夜から、待望のコンサート! ペルゴレージの「スタバートマーテル」と モーツアルトの「孤児院ミサ曲」です。 両方とも、ソロがふんだんに入る、聴き応え たっぷりの楽曲です。 これを聴きたさに…頑張って猛暑の夏、いつもの 倍の仕事をこなしました。 |
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生演奏、楽団員のトランペットファンファーレ!→ 吹き終わったとたん、ふたりはトランペット抱え 慌てて走ってステージまで戻っていました。 その後ろ姿が…なんとも微笑ましくて!! |
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ペルゴレージではソプラノ、アルトのソリストが 数人で歌いあげていきますが、今回一番張りが あって素晴らしく上手なソリストがいました。 堂々と、何の揺らぎもなく歌う姿はもう圧巻です。 きっと誰もうまい!ってうなずく少年。 モーツアルトの方でもきっとソリストかな?と 思いきや、別の少年が起用されていました。 こちらは全く違うタイプのソリストで、むしろ私は 彼の方が好みの声で…。 優しげなちょっとはかなげな声。大好きです。 テルツのソリストはバラエティーに富んでいる、と いったらまずいのかしら? |
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でも、そこがココの合唱団の個性と思っています。すべてを同じ歌い方、発生の仕方で統一させない で、個性を伸ばしている気がします。統一、均一が売りの合唱団もありますから、それは好みですが。 ソリストは個性でも、テルツは「合唱」も秀逸。個性が呼応し合って迫力が出ます。 特に、モーツアルト!!!響かせてくれます。今回つくづく、音にまみれて幸せを実感しました。 もっと、聴き続けたかった合唱です。 少年合唱団とオーケストラとのコンサートは、本当に貴重。日本では、バッハの宗教曲以外は、 最近殆ど聴くことが出来ませんから。 たっぷり幸せを感じつつ、音を楽しみました。「音楽」の意味を実感した日です。 |
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コンサート後、ちょっと楽屋を訪問。 |
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↑メンナーコア(変声期後の合唱団員)の少年。 バリトンのソロを歌った彼(左)、ものすごく 良い声で胸に響きました。 リリックバリトン?宗教曲にぴったり。 ←こちらはアルトのソリスト。 多分かなり年少さん。シュミット-ガデン氏が、昔 アランを10才でカンマーコア(トップグループ) にあげて才能をみいだして伸ばしたように、きっと 彼にも多大な期待をかけて可愛がっているのだろう な…というのをひしひしと感じました。 すべての楽曲で、今回彼がアルトを歌いました。 性格が素直で…感激屋さん?とっても可愛い少年 でした。これから期待大です。 |
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日本人として、とっても嬉しいニュース。 今現在、合唱団で活躍中のふたりです。向かって 右がカンマーコアの太郎君(12才)で、左側がコーア1の弟の二郎君(10才) 当日、シャイな太郎君とはお話しできなかったのがとても残念です……。写真でおわかりのように素晴らしく可愛らしいふたり!! |
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イラストを依頼された段階で、彼らの存在を知りませんでしたので、ここに描き下ろし!↑ 一緒に描き込んで差しあげたかったです!お母様からお話を伺っていて、合唱団に入ったきっかけ等 とても面白い御縁が重なったりしていて、物語になるなぁと漫画家魂を揺さぶられております。 機会があったら、ぜひ作品にしたいです……! |
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先日、取材を受けたときの新聞記事が届きました。二つの新聞の取材だったようです。 カラーでかなり沢山出ていたのでちょっとビックリしました…。 |
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一つはテルツ活動状況が書かれていて 8月末にノイシュヴァンシュタイン城で コンサート、その後イールゼーで音楽祭 だったようです。 |
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大まかな対訳です。 _________________________ 少年達、イールゼーの滞在はいつもアイス、プリン、パンナコッタがあるし食べるものは超美味しい! ということで大満足。 プローベの前に合唱団は集合写真撮影をしなくてはならなかった。 日本から来た漫画家たらさわみちが合唱団の為に 再び絵を描いたのです。ユリアス・スタインバッハが 偶然最前列でその絵を手に持ち、誇らしげに カメラに向かってくれた。 漫画家のたらさわみちはヘルガ・シュミットがデンの 70歳の誕生祝いに合唱団の為に再び特別に絵を 仕上げた。 (大意)この人目を惹く絵はテルツ少年合唱団の音楽祭の為に日本の漫画家たらさわみちが描いたものです。 この作品には、クロスター教会を背景に 音符の周りで跳ね回っている子供たちが描かれています。 テルツ少年合唱団到着前に、3人で撮影。 この音楽祭最終コンサートで歌う合唱団と音楽祭の為に たらさわが進呈したものです。 |
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ガーフィールドやミッキーマウスなどが漫画の主人公ということはどのこどもも知っています。 しかしながら、世界的に有名なテルツ少年合唱団も漫画になっていることを知っている人は少ないでしょう。 みちたらさわは作品で少年たちを引き立たせています。 実に恥ずかしそうに、目立たないように背後に控えている。それにも関らず、彼女はその時の主人公でした。 クロスターイールゼーで数日間開催された音楽祭に彼女は最新の作品を合唱団に進呈しました。 バロック教会を背景にして7人のこどもたちが音符にもたれたり大きく口をあけていたり(歌っている) テキストを学んでいたりしています。 日本ではテルツ少年合唱団は大勢のファンからポップスターのように賞賛されています。 たらさわにとってすべては1975年から始まりました。その時に初めてテルツの歌声を聴いて感動。 「その歌声はとても素敵でした」 1980年代に初めてドイツを訪問、バートテルツに立ち寄り旅のクライマックスに達しました。 それまで日本ではヨーロッパの少年合唱団はウィーン少年合唱団のみに興味が注がれていました。 「そこで私はテルツの歴史をコミックで表現したいと考えました。」 日本ではコミックはぞんざいなものでなく文学的な物語形式なのです。 たらさわはこれまで各200ページにわたる4冊の単行本を(16の物語で構成)出しています。 物語の中心はグレゴール、カーステン、アラン。野外にテントを張った冒険や、レオンハルディ祭りなども 描かれています。既に「バイエルンの天使」は3回の改訂版が出ています。 今回彼女はイールゼー音楽祭の絵を手掛けました。 「私は今できることで、合唱団を応援していきたいです」と再び、大変つつましく微笑みました。 対訳 emi __________________________________________ なんだか、人ごとのように、読んでしまいました(笑) 確かに、今は音楽ものを手がけていませんので、ここまで取り上げていただくのは嬉しいような 恥ずかしいような。でも、テルツとのつきあいは30年になりますが、ここまで続いていると言うことは その情熱はまだ継続中と言うことなのかなと…。 何らかの形で、応援はしていきたいです! |
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↑今回描き下ろしたイラストです。 | ||||||||||||||||||||||||||
このレポートを書きながら、集めてきたCDを 聴いています。 最新の録音ではブリテンの「キャロルの祭典」 ブリテンが少年合唱のために作った曲ですが、 天から降りそそぐ天使の声ではなくて、少年の 心意気が迫力となって歌いあげている、テルツ ならではのキャロル、この合唱団を好きになった ところの魂が詰まっております! バッハのマタイ受難曲、こちらは珍しく、正統派 トーマス教会の少年合唱団とのコラボ! これからじっくり聴きたいです。迫力対正統派。 楽しみです。 |
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テルツ少年合唱団、頂いた情報では、現在の活動はBenevoliの16声コンサート等の合間にクリスマス のCD 録音&撮影とのこと。録音は確かベネデイクトボウエルンの教会で、シュミット-ガデン氏の 指揮のもとで行われるとか。最近シュミット-ガデン指揮の合唱が少なくなってきているので、貴重です! :::テルツ少年合唱団HP::: 活動状況わかります。CDの試聴も! http://www.toelzerknabenchor.de/ |
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いつも駆け足の旅行です。 せっかくの音楽祭、ゆっくり余韻を味わっていたい ですが、お仕事あってこそのワガママ旅行ですので 現実に戻ります。 かかわって下さった、沢山の方達に感謝を込めて…。 9.2010 michi tarasawa |
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